日本に現存する主な仏教宗派の数は160程度です。
浄土真宗の各宗派は、彦根仏壇のように漆塗り・金箔押しされた「金仏壇」が主流で、「仏壇」に宗派としての規格を厳しく適用する傾向があります。
彦根は浄土真宗の本山が集中する京都に近いことから、彦根仏壇は浄土真宗各派の仏壇、中でも真宗大谷派(お東)、浄土真宗本願寺派(お西)の仏壇が比較的多く作られています。
私は◎印の仏壇を多く組立て、○印の仏壇も組立てた経験がありますので、これらの宗派については詳しい説明ができると思います。
宗派の名称 | 本山 | ||
浄土真宗 | 真宗大谷派(お東) | 東本願寺 | ◎ |
浄土真宗本願寺派(お西) | 本願寺 | ◎ | |
真宗高田派 | 専修寺 | ○ | |
真宗佛光寺派 | 佛光寺 | ○ | |
真宗興正派 | 興正寺 | ||
真宗木辺派 | 錦織寺 | ||
真宗出雲路派 | 毫摂寺 | ||
真宗誠照寺派 | 誠照寺 | ||
真宗三門徒派 | 専照寺 | ||
真宗山元派 | 證誠寺 |
どの宗派の家が多いかについては大きな地域差が存在します。そのため、どの宗派の仏壇を多く取り扱うかも、仏壇店によって異なってきます。
ここでは、左のリストの中で、私が組み立てた経験のある宗派に絞り、その特徴を説明していきます。
お東の仏壇は小柱、半丸が黒塗りで、宮殿が切れ桝・二重屋根になっているのが特徴です。
お西の仏壇は小柱、半丸が金箔押し(金粉蒔き)されており、宮殿は通り桝・妻屋根になっているのが特徴です。
真宗高田派は半丸の裏に巻龍を立て、ご本尊の前には唐戸を備えています。
台輪は門徒の仏壇よりも背が高く、上2杯、下3杯の引き出しを備えています。
浄土宗は下台輪の引出し3杯が深くて大きく、雨戸を閉めても出し入れできるようになっています。
「浄土宗の仏壇」としていますが、この形のものは真言、天台、禅系の各宗派に使うことができます。
これらの宗派も仏具には違いがあります。