仏壇の中の様々な部品や、各所の仕様などに対する名前を集めました。
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仏壇の外側に取り付ける扉。閉めた時に外側を向く側が表。裏は「戸裏」。(関連)八双、障子、三方開き、前開き
八双を取り付けるには閂(かんぬき)を通す金具を雨戸板の表から裏に貫通させる必要がある。
戸裏側に出てきている金具を隠すための金具。
須弥壇の上部分。段違の場合は通常、中央のものを差す。細物彫刻を付ける部分、流れ、天板からなる。須弥通りの場合は両端で側板の外側から釘・ネジなどで固定されている。
御堂造りの場合は下須弥と共に出し入れ可能となっており、迎門板などを取り付ける分、前に出ている。
天井の部品の1つ。大小2種類ある。周辺から天井板を支えるように見える構造だが、小さい方のえびは装飾。
須弥壇中央の、最も幅が狭く、彫刻を取り付ける場所の両脇にある、外側に湾曲させた部品。
三つ須弥の場合は脇須弥にも同様に取り付けられている。
中段下にあって、軸で回転して開けられるようにした部分。中に御文箱(御文章箱)、または2〜5杯の浅い引出しを備える。(関連)四帖
宮殿の桝組のなかの部品の1つ。宮殿は、最も下の大桝で平桁と接している。
帯付きの雨戸>に付いている戸裏中央の横桟。
または、脇戸外側に付く横桟。脇戸の帯は、中央に刳り込みがついており、中は金箔押しされている。
真宗大谷派(お東)において、御文を収納するための箱。
御文を納める「身」と「蓋」、蓋をした身を置く「台」があり、蓋の上と前面には宗紋または家紋を蒔絵で描く。身と蓋の内側は金箔押しする。
浄土真宗本願寺派(お西)では「御文章箱」と呼ぶが、形は同じ。
基本的には下段奥板の上に置く外箱の中で、大開きの奥に収納されている。
戸障子の外枠。
雨戸、または障子の框を金箔押しにした仕様。
雨戸の場合は、框金でも表側は除く。
台輪のうち上の方で、側板・向板・半丸を上部ではめ込む部品。組立時には宮殿を取り付けられるよう、内側に刻みをつける。上には天井を設置し、ごみ取りをかぶせる。下は雨戸を閉めた時に受ける戸当たりがある。(関連)狭間
仏壇の両側部分。上下で台輪と組み合わさる他、中敷・上須弥(須弥通りの場合)・脇須弥(段違の場合)、長押(前開きの場合)・脇長押(三方開きの場合)・宮殿ともほぞ・釘・ネジなどで固定される。
側板の内幅は他の多くの部品の寸法を決めるため、この内幅をもって仏壇の寸法とするのが慣例。(関連)セメ板
戸障子の正面で、左右をつなぎ合わせるための金具。(関連)定木、裏カンゴ
小柱を上部で連結し、ご本尊の上部を飾る役割を担う部品。下から平桁〜桝組〜頭から成り立つ。頭の両端は組立時に上台輪につける溝にはめ込まれている他、側板の外側から釘やネジで固定されている。
通常、単に屋根とも呼ばれ、御堂造りにおいては中屋根とも呼ばれる
形は宗派によって決まり、小柱の立ち位置や本数は宮殿に従う。(関連)小桝、大桝、肘木、桁、垂木、鬼瓦、二重屋根、妻屋根
柱の根元に取り付ける、柱の土台をかたどったもの。半丸のような大きな柱の沓石は円筒形の別部品で、小柱の場合は木地の段階で柱と一体になっている事が多い。
障子骨の別名。
小柱の上部で、2本の小柱の間を渡す形で取り付けられる彫刻。中央と両脇の3箇所ある。
宮殿の部品の1つ。中央の破風の隅にあって、垂木と平行に取り付けられる。
中敷の上に置き、下段奥板、中段下やその上に乗る各部品を支えている。前方両脇には穴をあけ、半丸の軸が入る。
下段の奥に置き、中段下の引き出しや御文箱(御文章箱)の外箱などを受ける。
木地の段階で下段と一体として作られる場合もある。
僧侶が座る場所。木の枠の中に小さな畳をはめ込んだ形をしており、普段は下台輪の中に収納している。
高座を使用する時は、上に座布団を敷いてはいけない。
御堂造りで、中央の須弥壇の奥に、左右の堂柱に挟まれた状態で立てた板。裏には横桟を数本通し、頑丈な作りになっている。名古屋仏壇は通常、中央に蒔絵を描くが、彦根仏壇ではそのまま金箔押し(または金粉蒔き)することが多い。
繰上げの下、または上にあって、繰上げと同時に取り付けられる部品。中央が持ち上がった「うねり勾梁」と一直線の「一文字勾梁」がある。
小柱前面に横向けに溝をつけ、繰上げとは別にはめる場合もある。この時の勾梁は通常より細く、「紐勾梁」と呼ばれる。
天井の部品の1つ。
障子框の下寄りに横木を付けて、下側にランセンと蒔絵を取り付けた形。または取り付けた横木。
須弥壇から宮殿へ伸びる小さな柱。足元には沓石をつけ、上の部分は立ち位置に応じて獅子・象・繰上げ・勾梁・もちおくりの5種の彫刻をはめ込むための溝を彫っている。
4尺サイズの大型仏壇では、12本〜16本の小柱を立てる。(関連)半丸(大柱・前柱)、法立
浄土真宗本願寺派(お西)において、御文章を収納するための箱。
御文を納める「身」と「蓋」、蓋をした身を置く「台」があり、蓋の上と前面には宗紋または家紋を蒔絵で描く。身と蓋の内側は金箔押しする。
真宗大谷派(お東)では「御文箱」と呼ぶが、形は同じ。
基本的には下段奥板の上に置く外箱の中で、大開きの奥に収納されている。
仏壇の最も上に位置する部品で、上台輪の上にかぶせる。漆塗りする框の上にごみ取り板を打ち付ける。框が1段の「一重ごみ取り」と2段の「二重ごみ取り」がある。
下台輪の底に取り付ける木の車輪。これによって、前後にのみ仏壇を動かすことができる。
長押と上台輪の間の、半丸束に挟まれた部分。狭間縁(さまぶち)と狭間彫りからなる。彫刻のみを差す場合もある。(関連)脇狭間
雨戸に脇戸、障子に脇障子が連結され、横に開閉できるようにした仏壇の仕様。
三方開きの場合、側板は脇障子がある分幅が狭くなり、前開きの場合は仏壇の前の角まで側板が出てくる分強度が高くなる。
小柱の上端で、正面に飛び出る形で取り付けられる、獅子の形をした彫刻。
台輪のうち、仏壇の土台となる部分。底面にころをつけて前後可動にし、側板・向板はほぞ組みされている。台輪引出しや和讃台を受け入れるスペースも備えている。(関連)別台輪
中段下にあって、中段下の束や大開きの軸を下で連結する部品。正面は面を取り、引き出しの金具に合せて金具を打つ。
須弥壇のうち、下の部分を指す。エビ束にはさまれた中央の彫刻は向かい龍、獅子に牡丹などの柄が多い。中央の彫刻の下には細物彫刻が取り付けられる。三つ須弥の場合は脇の下須弥も総称して下須弥と呼ぶ場合もある。(関連)上須弥
上須弥・下須弥・上段・脇須弥の総称。中段、または礼盤の上に置く。
上に小柱を立てる事によって、ご本尊と両脇を仕切っている。
仏壇の仕様の1つで、上須弥が両脇まで同じ高さになっている。(関連)段違
戸障子を閉じた時、中央にくるように取り付けられた、かまぼこ型の縦木。中央は閂が通るよう、凹型にくりぬかれている。
雨戸の内側に取り付ける扉。外枠である障子框の内側に、紗を貼った障子骨(組子)をはめこんでいる。
閉じる時は長押の下の障子当たりで止まるようになっている。
腰をつけて、下の部分を蒔絵にした場合は「腰付き」と呼ぶ。
細い木材を縦横に組み合わせた形で塗り〜金箔押しした部品で、障子框1枚につき、表(表子)・裏(裏子)と2枚はめる。裏子には紗を貼る。組子とも呼ぶ。
須弥壇のうち、彫刻を付けた弁当箱とその外側の部品からなる部分を呼ぶ。三つ須弥の場合は通常「脇須弥」と呼ぶ。
御堂造りで、堂長押の上に取り付け、堂柱と共に仏壇内部を取り囲むように配置する彫刻。
三方開きの場合は中段〜須弥壇(前開きの場合は下段〜中段も)と側板の継ぎ目部分に取り付ける部品。
小柱の上端で、横に飛び出る形で取り付けられる、象の形をした彫刻。
中敷〜下台輪の間の縦束で、台輪引出しを仕切る役割を果たす。木地の段階で中敷と一体となっている事も多い。
真宗大谷派(お東)、浄土真宗本願寺派(お西)では、下台輪と中敷の間にある、2〜3杯の引き出しで、台輪束によって仕切られている。前面には内側から蒔絵を取り付ける。その他の宗派では下台輪が高く、その中にお東・お西よりも深い引き出しを備えている。
宮殿の頭の部品の1つで、屋根の軒下の垂木をかたどったもの。(関連)桁
須弥壇などの正面は通常黒塗りだが、これを金箔押しした仕様を段金と呼ぶ。
しばしば中段下の正面も金箔押しするが、その場合でも中段だけ除外することが多い。
脇須弥に比べて上須弥が1段上に出ている形。須弥壇と長押にこの仕様がある。長押が段違の時、隣接している障子と狭間も段違となる。段違でなく、一直線になっている使用は「通り」と呼び、特に須弥壇の場合は須弥通りと呼ぶ。
中段下の束を連結する部品。上地幅・下地幅があるが、上地幅はない場合もあり、その場合中段下の束は中段に直接はめこまれている。
下台輪から、台輪引出しをはさんで上にある部品で三段の1つ。三方開きの場合は下段を三方に囲む形になっていて、両側の側板に前からほぞで組まれている。ほぞの近くに脇障子の軸を入れる穴があいている。
前開きの場合は側板の内側にはめ込まれている。
須弥壇(または礼盤)の下にあって、蝋燭立て、花立てなどを飾る前卓、位牌などを置いている部品。三段の1つ。重い仏具を乗せるため、頑丈に作られている。
両脇には中柱を立てるが、中柱がない場合もある。
中段と下段にはさまれた部分を指す。前面に蒔絵をつけた引出しや大開き、または猫戸がある。(関連)地幅(地福)(上地幅(上地福)、下地幅(下地福))、中段下の束、深引出し、下段奥板
中段下にある引き出し。通常、深引出しと同義。大開きの奥に備えた外箱入りの2段〜4段の浅い引き出しは、それぞれ二帖〜四帖と呼ばれる。
ヒメコマツ、ケヤキなどの木材を製材し、彫刻刀などを用いて雲・花・鳥・菩薩・天人などを彫り出したもの。
仏壇では、彫刻師が彫ったものを塗装→金箔押し(または金粉蒔き)することが多く、その後仕様によっては一部彩色する。材料によっては白木のまま使用する事もある。
1枚の板から彫り出す「丸彫り」と、いくつかの部分ごとに彫って組み合わせた「付彫り」がある。
→狭間、脇狭間、鬼瓦、繰り上げ、獅子、象、もちおくり、法立、須弥壇、礼盤
仏壇の中で上下に支える短い部品を呼ぶ。→半丸束、中段下の束、台輪束
宮殿の頭の上に取り付ける、千鳥破風の部品。浄土真宗本願寺派では中央と両脇の3箇所に、真宗大谷派では両脇の2箇所に取り付ける。両脇の妻屋根は、仏壇の寸法などによってつけない事もある。
宮殿の桝組の部品の1つ。桝組の角にあたる部分から外に向けて突き出す形で取り付けられる。
真宗高田派では手先の先端が龍の頭の形になっているので「龍手先」と呼ばれる。
上台輪の上に取り付けられる部品。下から見た時、周囲は大小のえびが並び、内側は格子状になっている。多くの場合、金箔押しした曲がり板と天井板を上から打ちつけている。(関連)小組
→御堂造り
御堂造りで、側板・向板に沿って並ぶ堂柱を上部で連結している部品。
御堂造りで、側板・向板に沿って並んでいる柱。中段の両サイドと迎門板をはさむ位置、脇須弥の隅に、計6本立てる。
右側で写真を見る→仏壇の中(上の方)
御堂造りの仏壇で、天井を支えている桝組。基本的な構造は宮殿の桝組と同じ。
雨戸で、金箔押し(または金粉蒔き)されている側。まれに、蒔絵の時もある。(関連)裏カンゴ
雨戸で、金箔押し(または金粉蒔き)されている側の框(かまち)に金具を打ちつけた仕様。または打ちつける作業。
雨戸・障子の総称。三方開きの場合は脇戸・脇障子も含む。(関連)裏カンゴ、閂、框
御堂造りの仏壇における宮殿。礼盤・柱・桝組・頭からなり、仏壇本体から出し入れ可能になっている。
半丸の裏にあり、中段から天井の下まで伸びている柱。柱の金具は通常、内側に45度向けて打ちつけられている。
三段の1つで、半丸を上で連結している部品。狭間を下で支えている。三方開きの場合は両端で脇長押とも連結される。
下の部分は、閉めた障子が止まるように段が作られている(障子当たり)。上の狭間、下の障子と一緒に、中央2枚の障子分だけ1段上に上がっている仕様もある。(段違)
真宗大谷派(お東)の宮殿の構造、または上に乗せる部品。
中段下にある引き戸。または、引き戸を備えている中段下の仕様。
雨戸の金具の1つで、閂を通す金具の周囲を装飾する金具。(関連)裏カンゴ
宮殿の頭部分の正面の装飾で、山の形をした板。中央の破風の上には鬼瓦を取り付け、両端の下には桁を取り付ける。→唐破風、千鳥破風
前柱、または大柱とも呼ぶ。仏壇の前面にあり、下段から長押を経て、上台輪までをつなぐ柱。
組んだ時、長押から上の部分は半丸束と呼ぶ。半丸束が別部品になっている場合もある。
足元では、沓石を貫通して下段にはめこまれている。
狭間を両脇ではさんでいる柱型の部品。解体した時は半丸の一部分になっていることが多いが、別部品の場合もある。
仏壇に備えられた引き出しは、法要の時だけ使う仏具などを収納するためにあるが、他にも様々なものをしまうことができる。→台輪引出し、中段下の引き出し、深引出し、四帖
御堂造りで、スズメ狭間の上に取り付けられる部品。または、浄土宗の宮殿で、頭の底面に取り付ける部品。
宮殿の部品の1つ。小柱を上部で連結し、桝組(大枡)とつなぐ役割を果たす部品。
中段下の引出しの一種。両側に大開き、中央が引出しとなる形の場合、中央の引出しは幅が狭く、深い引出しになる。
半間仏間に入れる小さな仏壇などで見られる、下台輪の下にあって、取り外しできる部品。仏間に対して仏壇が低い時、高さを調整するために作る場合もある。
須弥壇中央の彫刻の上下に取り付けられる、唐草柄などの細い彫刻。三つ須弥の場合は脇須弥にも取り付けられる。(関連)上須弥、下須弥
→半丸
側板に雨戸を吊り込み、前面のみ扉がある仏壇の仕様。(関連)三方開き
漆塗りされた板の上に絵漆で図柄を描き、漆が乾かないうちに金・銀の粉などを蒔きつける装飾技法。またはその技法で装飾されたもの。
引出しの前面、腰付きの障子などで使用される。
(関連)台輪引出し、深引出し、大開き、迎門板
宮殿の部品の1つ。大枡、小桝、肘木の組合せで作られ、角には手先が取り付けられる。
須弥壇の仕様の一種。中央と同じ構造の脇須弥が両脇に配置されている。(関連)下須弥、上段、エビ束
彦根仏壇の仕様の1つ。内部は左右各3本の堂柱が堂長押で連結され、囲むように配置され、向板前の中央には堂柱ではさんだ迎門板が立ち、堂長押の上にはスズメ狭間、菱組、勾梁が取り付けられている。
宮殿は中屋根と呼ばれ、須弥壇から出し入れ可能になっている他、上須弥・下須弥も出し入れ可能である。
仏壇の背後に取り付けられる部品。前面は漆塗り〜金箔押しされ、裏側は格子状で木地のままにすることが多い。
左右は側板の溝に、上下は台輪の溝に、それぞれはめ込まれる。
台輪・中段・下地幅・雨戸などで、角を削った部分。面の部分は金箔押し、または金粉蒔きされる。
仏壇の仕様では、雨戸の表・ごみ取り・台輪に面がある「面付き」と、面がない「面なし」に分かれている。
勾梁・または繰上げの下で、小柱の横に差し込むなどして取り付けられる彫刻。
宮殿の別名。
中段下の左側の大開きの奥で、外箱に納めた4段の浅い引出し。御文箱(御文章箱)と同様、内側を金箔押しにする事が多い。
門徒の仏壇にのみ見られるが、四帖を備えていない場合もある。
中段と須弥壇の間の段。正面は彫刻が入る事が多い。御堂造りでは中屋根の土台部分も礼盤と呼ばれている。
蒔絵板の周囲を縁取りのように囲む部品。浄土宗における台輪引出しの前面や、腰付きの障子の蒔絵に取り付けられる。
→狭間
三方開きで、半丸束の裏と側板の間に取り付けられる彫刻。雲を背景に、鶴が仏壇の奥の方に向かって飛ぶ図柄になっている事が多い。狭間のような枠がついていることもある。
須弥壇のうち、、両サイドに並ぶ須弥。通常、三つ須弥の脇に対しての名称。側板の外側から釘やネジで固定されている。(関連)エビ束、段違
三方開きで、障子と蝶番でつながり、両サイドに開く扉。軸は上で脇長押に、下で中敷に差し込まれる。
三方開きで、雨戸と蝶番でつながり、両サイドで開く扉。軸は上下の台輪にそれぞれ差し込まれる。
外側は帯を付け、内側は雨戸と同様に金箔押しまたは金粉蒔きする。まれに、蒔絵を蒔く場合もある。
三方開きで、戸裏と同様、脇戸の内側にも金具を打つ仕様。またはその金具を打つ作業。
中柱と半丸をつなぐ部品。三方開きの場合は長押、側板ともほぞ組みでつなぎ、脇障子の軸も差し込まれる。前開きの場合は装飾以上の役割はなく、脇長押がない場合もある。
下台輪の一番上の段に差し込まれる、板状の台。供物を置くなどの用途がある。